基礎知識
ChatGPTのビジネス活用例12選 | プロンプトと注意点も解説
ChatGPTをビジネス利用する際、どう使えばいいのか分からないと悩む人はいるかもしれません。また、ChatGPTを使う上で注意する点はあるのか気になる人もいるでしょう。
当記事では、ChatGPTをビジネス利用する際の注意点と活用事例を解説します。ChatGPTは商用利用できるのかについても解説するので、ChatGPTをビジネス利用したい人は当記事を参考にしてみて下さい。
ChatGPTはビジネス利用できる
OpenAIの利用規約では、「コンテンツが適用法または本規約に違反していない場合、適用法で認められる範囲で、アウトプットに対するすべての権利、所有権、利益を利用者に譲渡します」と記載されています。そのため、ChatGPTによって生成した文章や画像などのコンテンツはビジネス利用が可能です。
ただし、ChatGPTを活用した、法律や医療等の専門知識に関するアドバイスは禁止されています。また、ChatGPTによって生成したコンテンツが著作権侵害につながる可能性もあります。
ChatGPTを利用する際の商用利用や著作権について詳しく知りたい人は、「ChatGPTは商用利用できる？著作権と利用料金を解説」を確認してみてください。
ChatGPTのビジネス活用事例12選
ChatGPTのビジネス活用例を12種類ご紹介します。プロンプト例もあわせて解説しているので、活用できそうなものがあれば実際に試してみてください。
【ChatGPTの活用例12選】
- メール作成
- 想定質問の作成
- 企画のアイデア出し
- 記事作成
- 文章校正
- マニュアル作成
- SNS運用
- Webサイトのコンテンツ提案
- 表計算ソフトの関数作成
- コーディング
- 翻訳
- 要約
メール作成
ChatGPTはビジネスメールを作成する際に活用できます。入力するプロンプトによって出力内容を調整できるため、日程調整や業務連絡、情報提供のためのメールなど様々な内容のメールを作成可能です。
| あなたは［優秀な営業担当者］です。
以下の#制約条件と#情報をもとに、［取引先に送る日程調整メール］を出力してください。 #制約条件:
#受信者に期待する行動 提示した候補日の中から選ぶ #情報： ［株式会社○○に対して、新商品のプレゼンテーションの日程調整を行いたい。打ち合わせは1時間ほどを予定。希望日程は5月24日13:00～または25日15:00～。］ #出力文： 件名： 本文： [会社名] [担当者名] 様 { } 何卒よろしくお願い申し上げます。 [メール署名] |
【ChatGPTの出力結果】
日程調整以外の内容でメール作成を試したい場合は、プロンプトの「#命令書」や「#情報」の項目を作成するメールに含めたい内容に変更してみてください。
なお、ChatGPTを活用したメール作成については「ChatGPTをメール作成に活用できる範囲とは？プロンプトを作るコツも解説」の記事で解説しているため、メール作成の目的にあわせたプロンプトについて知りたい方は確認してみましょう。
想定質問の作成
ChatGPTを活用して、自社のサービスや商材に対する想定質問を作成することができます。想定質問は、営業のトークスクリプト作成やホームページに掲載するFAQなどに活用できます。
| あなたは文房具を製造している会社の優秀なカスタマーサポートです。
顧客からの問い合わせ数が多いと想定される順に想定質問を表形式で10個出力してください。 |
【ChatGPTの出力結果】
ChatGPTを活用して想定質問を生成する際は、過去の問い合わせや質問例をプロンプトに含めることで、生成される質問がより具体的なものになるため、蓄積しているデータがある場合は活用してみましょう。
なお、Chat GPTを搭載したAIチャットボットを導入することであらかじめ設定したよくある質問のシナリオにより、AIが自動で問い合わせ対応を行えます。問い合わせ対応を自動化する方法を知りたい人は、「問い合わせ対応を自動化する方法を解説」をご覧ください。
企画のアイデア出し
ChatGPTは、マーケティングやサービス立ち上げなどの企画を考える際のアイデア出しに活用できます。とくにChatGPTが学習に使用しているデータは多岐にわたるため、ユーザーが持っていない知識や情報を交えた新しいアイデアが必要な場合に適しています。
| あなたは文房具を取り扱っている企業の優秀な企画者です。
20代をターゲットにした新商品であるペンの販売促進になる企画を3つ考えてください。 |
【ChatGPTの出力結果】
ChatGPTは、チャット形式でやりとりができる特徴を持っています。そのため、まとまっていないアイデアを会話形式で掘り下げることで企画案の壁打ちを行えます。
記事作成
ChatGPTは記事のタイトルや見出し、本文の作成まで行うことができます。また、校正作業の手助けにもなるため記事内容を考える時間を減らし記事の品質を向上させる時間にあてられます。
ただし、ChatGPTによって生成された文章には、誤った情報が含まれている可能性があります。そのため、生成された文章を記事として公開する前に、記載されている文章の事実性や正確性の確認を行いましょう。
| あなたはAIについての知識や活用例を発信するメディアで活動する優秀なSEOライターです。
#キーワードと#手順を参考に、記事の構成案を考えてください。 #キーワード ChatGPTとは #手順
#出力 【検索意図】 【記事に含める情報】 【記事の構成案】 |
【ChatGPTの出力結果】
構成案まで作成できたら続けて本文を作成します。
| 以下の「#見出し」の本文を250文字〜400文字で作成してください。
#見出し ChatGPTとは何か？ |
【ChatGPTの出力結果】
なお、ChatGPTを活用した記事作成の詳しい手順や注意点は「ChatGPTで記事作成をするためのプロンプトと注意点を解説」で解説しています。
文章校正
ChatGPTに文章を読み込ませることで、誤字脱字を修正することができます。誤った指摘や確認漏れが発生する可能性もありますが、人間が行うよりも迅速に文章を確認できるため、校正業務の作業効率向上が期待できます。
| あなたはプロの校正者です。
以下の文章に含まれる誤字脱字を修正し、修正前と修正後の例文を提供してください。 #校正前の文章 お世話になっております。先日のミーティングでのご意見、参考にさせていただきます。弊社では、効率的で迅速な対応を心がけてますので、何か不明点がございましたら、いつでもお知らせください。よろしくお願いたします。 #条件
|
【ChatGPTの出力結果】
ChatGPTを活用した文章校正の手順を知りたい方は「ChatGPTを駆使した文章校正の方法とプロンプトの例を解説」をご確認ください。
マニュアル作成
業務や製品、サービスのマニュアルはビジネスにおいてスムーズに作業を遂行すること、職場の研修に重要です。ChatGPTをマニュアル作成に活用することで作成にかかる時間を削減できます。
| #命令文
あなたは優秀な担当者です。 制約条件に従ってペルソナ作成AIツールのマニュアルの下書きを出力してください。 #条件 マニュアルは階層的な目次で書く 各ステップではタイトルと本文を分ける ペルソナ作成AIツールの主要な機能と操作手順を詳細に説明する その他の注意点を提示する 簡潔で分かりやすい文章にする 使用者：{新人} #目的 正しい使用法を説明する #出力 マニュアル本文 ステップ１：・・・ その他の注意点 |
【ChatGPTの出力結果】
ChatGPTにマニュアル作成の指示をする場合、調査を行い製品や業務に関するデータなどを集め、プロンプトに「#情報」を追加し詳しく記載することでより詳細なマニュアルが作成されます。「#制約条件」の欄にある「使用者：{新人}」の新人の文言を「○○を初めて使う30代男性」といった使用者の情報を載せることで、指示に応じたマニュアルが出力されます。
ただし、ChatGPTに入力したデータは学習データに使われる場合があるため、機密情報の入力は避けましょう。ChatGPTを活用したマニュアル作成については「ChatGPTを活用してマニュアル作成するためのプロンプト例と手順を解説」をご覧ください。
SNS運用
ChatGPTは、SNSの投稿文やコメントの返信内容、ショート動画の構成作成など、SNS運用に活用できます。SNSは、投稿やコメント、DMなどの返信などによって作業頻度が多くなる傾向にあるため、ChatGPTの活用は業務効率化に有効な手段です。
| あなたは優秀なマーケティング担当者です。
SNSでスニーカーを宣伝します。 #キーワードを参照して宣伝用の文章を作ってください。 想定しているSNSはxです。 #キーワード: スニーカー、ファッション、20代 |
【ChatGPTの出力結果】
SNS投稿文の下書きの文字数をしたい場合、プロンプトに「#制約条件」の欄を加え、「文字数は150文字以内」を記載することで指示に沿った回答が提供されます。
有料プランのChatGPT Plusが使える場合、過去の投稿データをもとに競合調査やアカウント分析にも活用できるため、競合調査やアカウント分析の時間短縮にもなります。ChatGPTをデータ分析に活用する方法に興味がある人は「ChatGPTをデータ分析の業務で活用する方法を解説」をご覧ください。
Webサイトのコンテンツ提案
ChatGPTは、Webデザインの作業効率化に活用できます。ChatGPTだけで簡潔できるデザイン作業は少ないですが、アイデア出しやたたき台の作成、ラフイメージの作成などに活用することでデザインの作業をサポートできるためです。
| あなたは優秀なWEBデザイナーです。これからアパレル企業のホームページを作成します。
アパレル企業のホームページに必要なコンテンツを出力してください。 |
【ChatGPTの出力結果】
ChatGPTはホームページに必要なコンテンツをWebサイト内のどこにどのように配置をするのか指定する設計図「ワイヤーフレーム」やWebサイトの構成案作成に使用することができます。Webサイトの想定読者の情報を記載することでターゲット層に沿ったWebサイトを制作することが可能です。
ChatGPTの有料プラン「ChatGPT Plus」にあるプラグイン機能を活用することで、ロゴデザイン・バナーデザインの作成にも活用できます。ロゴやバナーデザインに活用できるプロンプト例は「ChatGPTをデザイン制作へ活用する方法とプロンプト例を紹介」を確認してみてください。
表計算ソフトの関数作成
ChatGPTは、資料作成や分析の際などに使用するExcelやGoogleスプレッドシートの関数作成に活用できます。表計算ソフトで実現したい計算内容とシート列や行などの必要な情報を提供することで、計算式が生成されるため業務の効率化になります。
| パンの名称ごとに品質が良となっているパンの個数を計算するExcelの関数を出力してください。
A列: パンの番号 B列: パンの名称 C列: 品質の判定（良または不可） |
【ChatGPTの出力結果】
なお、ChatGPTとExcelを連携するExcelアドイン「ChatGPT for Excel」を利用することで、Excel上でChatGPTに指示を出し表作成やデータ分析が可能になり作業時間の短縮になります。ただし、ChatGPT for Excelの利用には、ChatGPTのAPIが必要になるため、初期登録時に設定されているAPIの無料枠を超える場合は、料金がかかる点には注意が必要です。
コーティング
ChatGPTは、HTMLやCSS、PythonやPHPなど様々な言語を使ったコーディングのサポートに活用できます。コーディング作業にChatGPTを使うことでコード生成の時間を早め、コードの説明やコードの品質を確認する作業にも活用でき担当者の負担が軽減されます。
| あなたは優秀なITエンジニアです。
Pythonを使用して、ファイルの読み込みを自動化するコードを生成してください。 |
【ChatGPTの出力結果】
また、ChatGPTは、コーディングのほかに、エラーやバグのチェック、ソースコードを改善するリファクタリングなどにも活用できます。ChatGPTを活用したコーディング作業については、「内部リンク予定」で詳しく解説しています。
翻訳
ChatGPTは英語や中国語などで記載されたメールや資料の翻訳に使用できます。また、チャット形式でやりとりできるため、生成された翻訳文の表現を変えたり、必要な部分を抽出することができます。
| あなたは優秀な通訳です。
以下の英文を日本語に翻訳してください。 We are sending the invoice as an attached document. Please confirm the total and pay it into the bank account on the invoice. Thank you again for choosing our product, and we are looking forward to the opportunity to serve you again. |
【ChatGPTの出力結果】
ChatGPTを活用した翻訳については「ChatGPTを使った翻訳の方法と活用のメリットを解説」で詳しく解説しています。
要約
ChatGPTを活用して調査している情報や会議の議事録を要約することで、内容を短時間で把握できます。
また、Google Chromeを使用している場合は、拡張機能を利用することでWebページの情報を手軽に要約することができます。資料や企画書の作成などでWebサイトの調査をすることが多い方は、拡張機能の利用も検討してみてください。
| あなたはプロの編集者です。
「#内容」を「#条件」を守って要約してください。 #目的 日本の景気状況に関する資料を作成する #条件
#内容 ※ 要約する文章を入力 |
【ChatGPTの出力結果】
要約内容： 総務省：令和5年 情報通信に関する現状報告の概要
なお、ChatGPTは１度に扱える文字数に制限があります。長文の要約を行う場合は読み込ませる文章を分割して対応しましょう。ChatGPTを活用した要約については「ChatGPTによる要約のやり方と精度を高めるコツを解説」も確認してみてください。
ビジネスへの活用は法人向けプランの契約も検討する
ChatGPTには、OpenAIが提供しているビジネス向けの有料プラン「ChatGPT Enterprise」があります。ChatGPT Enterpriseは、自然言語処理能力を用いたテキスト生成モデルGPT-4が搭載され安全性と機能性が向上したサービスです。
「ChatGPT Enterprise」では、GPT-4が無制限で使用可能、最大 2 倍の速度で回答が提供され通常より4倍の文字数(32,000トークン)でプロンプトを入力できる特徴があります。Pythonを使ったコード生成やデータ分析などを行える機能「Advanced data analysis」が無制限で利用できるため、データ分析の業務に役立つ機能です。
また、利用者が提供したプロンプト内容が学習データに使われないほか、米国公認会計士協会(AICPA)が定めたサイバーセキュリティの基準「SOC2」に準拠しています。保存時、転送中のデータは暗号化され利用者のデータの機密性やプライバシー保護が強化され企業の情報が漏れる可能性が抑えられます。
大規模企業の管理者が利用しやすいように、一括メンバー管理を備えた管理コンソールや使用状況の管理をすることが可能です。企業が共通のワークフローを構築・共有するためのチャットテンプレートもあるため、ビジネスでChatGPTの利用を考えている人は、「ChatGPT Enterprise」の導入も検討してみましょう。
法人向けに特化したJAPAN AI Chat
ChatGPTをビジネス利用している企業は、法人向けAIツールの利用を検討してみてください。
JAPAN AIが提供している「JAPAN AI Chat」は、最高性能のGPT-4や記事作成、リーガルチェックなど企業の業務効率化に役立つ機能を搭載しています。また、入力した情報が学習データとして利用されないため、機密情報の漏洩リスクを低減できます。
【JAPAN AI Chatの特徴】
- 技術者による専用のカスタマイズ
- マーケティング支援に特化した機能
- 法人利用に適したセキュリティ対策
- リーズナブルな価格設定
AIツールを初めて利用する方でも、個社のプロセスにあわせた独自ツールを作ることができます。必要に応じて、AI研修やプロンプト支援などのオンボーディング支援も行っておりますので、AIツールの利用に不慣れな方でも利用可能です。
ビジネスへChatGPTを活用する際の注意点
ビジネスへChatGPTを活用する際の注意点を把握しておきましょう。ChatGPTをビジネスで活用する場合、事前に社内ガイドラインの作成やセキュリティ面の対策を考えられるからです。
【ChatGPTを活用する際の注意点の例】
- 社内ガイドライン(ルール)を作成する
- 機密情報は入力しない
- 回答はならず確認と修正をする
たとえば、ChatGPTの回答は、学習したデータをもとにプロンプトと関連性のあるものを選んで生成するため、正確性が確認されていません。また、プロンプトに記載した情報は学習データに使われる場合があるため、OpenAIの社員に確認される可能性や他者の回答に使われてしまい機密情報が漏洩するリスクもあります。
ChatGPTを業務で利用する場合は、顧客情報や個人情報、企業データなどの機密情報を入力しない等の情報の扱いにルールを設けましょう。
なお、ChatGPTを開発したOpenAIの利用規約の内容は更新される場合があります。OpenAIの利用規約を確認したい人は、OpenAI「Terms of use」をご覧ください。
まとめ
利用者が送った質問や指示文(プロンプト)を理解して回答する生成AIチャットサービスであるChatGPTは、さまざまなビジネスシーンで活用できます。OpenAIの利用規約では、AIによって生成されたコンテンツの権利は利用者が持っているため商用利用も可能です。
ただし、利用できる範囲は決まっていて、著作権侵害に該当する回答や正確性のない可能性もあり、無料プランのChatGPTでは学習データがアップデートされていないため提供された情報が古い場合があります。ビジネスで使用する際は、有料プランを使うまたはChatGPTを利用するルールを決めるなどの工夫をしましょう。
ChatGPTはメールのサンプル文の作成やWEBデザイン、記事作成の手助けなどさまざまなビジネスに使え、作業の担当者の品質を安定させるほか作業時間の短縮にもなり負担を軽減させることも可能です。無料プランのChatGPTでも使い方に気をつけて利用すればサポートの役割として役立つため、利用を考えてみてはいかがでしょうか。
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