業務効率化
ChatGPTを使った翻訳の方法と活用のメリットを解説
ChatGPTはさまざまな業務に活用されています。ChatGPTを翻訳に活用したいと考えており、ChatGPTの翻訳精度は実用できるレベルか気になる人もいますよね。
当記事では、ChatGPTを使った翻訳の方法と活用のメリットを解説します。DeepLやGoogle翻訳など他の翻訳ツールとの比較も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ChatGPTを活用した翻訳のプロンプト
ChatGPTに翻訳機能はありませんが、適切なプロンプト(命令文)を入力すると翻訳が可能です。ChatGPTを活用して翻訳を行うには、プロンプト例を参考にルールや原文を指定すると精度の高い翻訳を出力できます。
#あなたはプロの翻訳者です
#原文 を日本語に翻訳してください。訳文は #ルール に従って出力してください #ルール #原文 |
ChatGPTの翻訳は多言語に対応しています。日本語以外に翻訳したい場合は翻訳したい言語を具体的に指定すれば対応可能です。
ただし、ChatGPTの無料プランが扱える文字数は、2,000〜2,500文字程度です。 長い文章を翻訳したい場合は、適度な長さに区切って翻訳を繰り返すようにしましょう。
ChatGPTのプロンプトを作成する4つのコツと活用例を解説
ChatGPTと翻訳ツールの比較
ChatGPT以外にもAI技術を活用した機械翻訳ツールが存在しています。機械翻訳の例として、Google社が提供するGoogle翻訳やDeepL社が開発したDeepL等が挙げられます。
ChatGPTは多言語に対応しており、自然な日本語への翻訳が可能です。しかし、他の翻訳ツールのほうが高精度な翻訳を行える場合や、翻訳対象の形態によっては利用が適している場合があります。
ChatGPT | DeepL | Google翻訳 | |
対応言語 | 約50以上 | 約30 | 約130 |
翻訳精度 | △ | 〇 | △ |
画像やPDFなどファイルの翻訳 | △
(有料プラン) |
△
(拡張機能) |
〇 |
webページ上の翻訳 | △
(拡張機能) |
△
(拡張機能) |
〇 |
Google翻訳
Google翻訳はGoogle社が提供する翻訳サイトおよび翻訳アプリです。
Google翻訳の特徴は、画像やPDFなどのファイル上に記載された外国語の翻訳が可能な点です。Google翻訳を使用して翻訳した内容はダウンロードでき、ChatGPTやDeepLと比較して対応言語が多い点も特徴といえます。
ChatGPTと比較した場合、Google翻訳による翻訳は直訳が多い傾向があります。より自然かつ精度の高い翻訳を必要とする場合には、ChatGPTが向いているといえるでしょう。
DeepL
DeepL(ディープエル)ははドイツのDeepL社が2017年に開発した機械翻訳ツールです。DeepLはディープラーニングを活用しており、自然かつ精度の高い翻訳ができる点が特徴です。
DeepLは、無料会員登録により、1回あたりの翻訳可能な文字数の上限を3,000文字から5,000文字に引き上げられるほか、ファイルの翻訳も可能になります。
ChatGPTと翻訳性能を比較した場合、DeepLは、文脈を汲み取った主語の明示なども正確に行える点で、高性能であるといえるでしょう。
ChatGPTを翻訳に使用するメリット
ChatGPTを翻訳に使用するメリットは、自然かつスピーディーに翻訳を行えることに加え、プロンプト(命令文)を入力し、チャット形式でやりとりをできることです。他にも、「翻訳文の要約や構成ができる」「興味のある話題を抽出できる」などのメリットが挙げられます。
【ChatGPTのメリット】
- 翻訳文の要約ができる
- 翻訳文の構成ができる
- 興味のある話題を抽出できる
翻訳文の要約
ChatGPTは、外国語を翻訳するだけでなく、翻訳文の要約が可能です。
ChatGPTに対象となる文章とともに「以下の文章を日本語で要約してください。」とプロンプトを入力すると情報を要約した情報を出力してくれます。
外国語の長文で記載された論文やWebサイト内の情報を効率的に把握したい場合に有用できます。原文の長さや利用目的に応じて、「以下の文章を〇〇文字以内の日本語で要約してください。」など、具体的に文字数を指定することで、より適切な要約文が出力されるでしょう。
ChatGPTを駆使した文章校正の方法とプロンプトの例を解説
翻訳文の校正
ChatGPTは、翻訳文の校正が可能です。機械翻訳を使用した翻訳文は従来、翻訳者によって校正や編集を行っていました。ChatGPTに翻訳文とともに「以下の文を校正してください」というプロンプトを入力すれば、即座に校正された翻訳文が出力されます。
さらに、ChatGPTを活用して校正する際、翻訳文の文法や適切な言い回しの調整だけでなく、語句や表現の調整も可能です。使用しない語句や統一した言い回しをプロンプトで指定することで、翻訳文の目的に応じた文章の作成も可能になります。
興味のある話題を抽出
ChatGPTに入力した文章の中から興味のある話題を抽出できます。興味のある話題を抽出するには、ChatGPTにWebページやマニュアルなどを入力した後、興味のある話題に関して質問します。
ChatGPTにマニュアルを入力し、特定の機能の操作方法に関して質問すれば、即座に指定した機能の操作方法を出力してくれます。ChatGPTは、事前に質問と回答のデータを準備せずとも適切に質問に回答できる点がチャットボットとの違いといえます。
ChatGPTで翻訳を行う場合の注意点
ChatGPTで翻訳を行う場合の注意点は「誤訳や訳抜けが発生する可能性」「情報漏洩のリスク」です。いずれの注意点も対策を行うことでリスクを回避できます。
【ChatGPTで翻訳を行う場合の注意点】
- 誤訳や訳抜けが発生する可能性
- 情報漏洩のリスク
誤訳や訳抜けが発生する可能性がある
ChatGPTに限らず、翻訳ツールなどを活用した行った場合、誤訳や訳抜けが発生する可能性があります。
特に、文法構造や文脈が複雑な文章に関しては、誤訳が生じる可能性が高くなります。また、ChatGPTは専門性の高い内容や文化的理解が必要な内容には対応できない場合があり、翻訳においても誤訳などが生じる可能性があります。
なお、ChatGPTはインターネット上の情報を学習元に情報を出力するため、出力された内容が必ずしも正しいとは限りません。誤訳や訳抜け以外にも、ChatGPTが出力した情報はそのまま使用せず、専門を有する人が確認してから使用するようにしましょう。
情報漏洩のリスクがある
翻訳への活用に限らずChatGPTを活用する際に情報漏洩のリスクがあります。ChatGPTはユーザーが入力した内容を学習データとして利用して、他のユーザーの回答に出力する可能性があるからです。
翻訳対象に機密情報や個人情報が含まれる場合、オプトアウト申請を行う方法があります。「オプトアウト」とは、入力したデータを削除するようOpen AI社に対して申請することを指します。ChatGPTをブラウザで使用する場合には「設定メニュー」からオプトアウト申請を行うことで、ChatGPTに入力した情報をAIに学習させないようにできます。
なお、オプトアウト申請はChatGPTのアカウントごとに行う必要があります。従業員数が多い企業は、申請の有無の確認や管理に手間と時間がかかるため、社内での管理方法が課題となるケースもあります。
ChatGPTによって機密情報を漏洩するリスクと対策方法を解説
ChatGPTの法人利用時のセキュリティリスクとは?5つの対策方法を解説
まとめ
ChatGPTには翻訳機能はありませんが、適切なプロンプト(命令文)を入力すると翻訳が可能です。ChatGPT以外にもAI技術を活用した機械翻訳ツールが存在しており、機械翻訳ツールのほうが正確な翻訳が行える場合もあります。
ChatGPTを翻訳に使用するメリットは、自然かつスピーディーに翻訳を行えることや、プロンプト(命令文)を入力し、チャット形式でやりとりができることです。また「翻訳文の要約や構成ができる」「興味のある話題を抽出できる」などのメリットがあります。
ChatGPTで翻訳を行う場合の注意点は「誤訳や訳抜けが発生する可能性」「情報漏洩のリスク」です。注意点を把握したうえで、出力された内容を知識を有する専門家などが確認したり、オプトアウト申請を設定したりするなどの対策を行うことでリスクを回避できます。
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