基礎知識

画像認識AIとは?仕組みや活用例などわかりやすく解説

AIを活用した画像認識はさまざまなシーンで活用されています。

当記事では、画像認識AIの仕組みや活用例などをわかりやすく解説します。画像認識AIを活用したいと考える人や企業の担当者はぜひ参考にしてください。

 画像認識はAIを活用して画像内の情報を判別する技術

 画像認識はAIを活用して画像内の情報を判別する技術

画像認識とは、機械やコンピュータで画像内の情報を判別や特定する技術のことです。バーとスペースによって数字や文字などの情報を読み取る「バーコード」も画像認識のひとつです。

画像認識にAIを活用するようになって、対象物の認識方法や精度が向上しました。

AIを活用した画像認識の特徴】

  • 人手によるルールやモデルの構築から「パターン認識」という手法に変わった
  • 画像内に「何が映っているか」「何がどこに映っているか」など判別する技術の精度向上

パターン識別とは画像や音声などのデータから特徴となる特定のルールやパターンを認識し、抽出する技術のことです。パターン認識によって従来の画像認識では実現できなかった「人物の顔」「対象物の色」といった定量的に示すことができないデータの特徴をとらえた判別ができるようになりました。

さらに、AIの活用によって画像認識によって判別した情報をさらに細かく判別する「画像解析」も可能になりました。対象物を識別する精度が向上したことで、画像認識はさまざまな産業に活用されています。

AIによる画像解析とは?仕組みや活用事例を解説

画像認識AIの種類

画像認識AIの種類

画像認識AIによって判別できる情報は主に3種類です。

【画像認識AIの種類】

種類 技術の概要
顔認証 ・人間の顔の画像からその人物の特徴を抽出および特定する
・年齢や表情などを識別する
文字認証 ・手書きや印字された文字を判別する
・画像内の文字情報をテキストとして書き出す
物体認証 ・画像内の物体を識別する
・「物体検出」の技術と併せて画像内の特定の物体の位置を判別する

たとえば、AIを活用した「顔認証」では、画像内に「人」が映っていることだけでなく、その人の年齢、性別、表情などを識別したうえで、個々の違いを判別します。

また、画像認識AIは、物体の識別も可能です。画像内に特定の物体が存在するか、画像内の物体のカテゴリ判別なども可能です。さらに物体の位置を判別する「物体検出」の技術と併せることで特定の物体の位置も識別する技術もあります。

このように、画像認識AIはいずれの種類も人間の記録や判断によるものと近い識別が可能な点が特徴といえます。

AIを活用した画像認識の仕組み

AIを活用した画像認識の仕組み

AIを活用した画像認識は主に「機械学習」「深層学習」によって成り立っています。「機械学習」「深層学習」を行うための前提として用途に応じたデータ収集が必要となります。

【画像認識の仕組み】

作業 概要
データ収集 ・用途に応じた大量の画像データを収集し処理を行う
機械学習 ・画像認識モデルを構築し、画像データをAIに学習させる
深層学習 ・深層学習により画像認識の精度を高めていく

AIに学習させるための大量の画像データは、コンピュータで処理することを目的にすでに一定の形式に整形された「データセット」を活用する方法もあります。コンピュータで処理する画像データは、明るさや色の補正を行ったり、対象物の領域を抽出したりして、最終的にピクセル単位で抽出します。

AIに処理を行った画像データを学習させる際には、「機械学習」のプログラミングによって画像認識モデルを構築します。機械学習のプログラミングでは、コンピュータに大量の画像データや判別の際の正解となるデータを学習させます。

さらに深層学習(ディープラーニング)による実装後の画像データ収集及び学習を継続することで複雑な情報に対応できるようになります。AIによる画像認識は、実装後も継続的に機械学習を行い、アップデートを継続することで、精度の安定性を保てます。

なお、機械学習のプログラミングはPythonを使用するのが主流になっています。Pythonを使用したプログラミングの知識がない場合や、これらの仕組みを構築する工数を確保できない場合には、顧客の事業にカスタマイズされたAIツールの開発を行えるJAPAN AIの活用を検討してみてください。

画像認識AIでできること

画像認識AIでできること

画像認識AIでは、画像内の対象が何であるのか判別する「一般物体認識」と画像内の対象物の固有名詞まで判別する「特定物体認識」という2つの認識ができます。

【画像解析ができる2つの認識】

  • 一般物体認識
  • 特定物体認識

画像認識AIは判別する対象や用途によって使い分けられています。ただし、人間の顔の場合、「個々の違い」「表情の違い」があるため、顔認証においては明確な使い分けがされていません。

一般物体認識

一般物体認識は画像内の物体に対するカテゴリを認識する技術です。

たとえば、2つの物体が映っている画像に関して、それぞれが「自転車」「自動車」であることを判別します。画像認識にAIの技術を活用する以前よりあった方法で、以前は人の手によって設計されていましたが、精度が低く、実用化に至っていませんでした。

しかし、ディープラーニングの技術が登場するようになって画像データの特徴抽出と識別の最適化が可能になり、精度が向上しました。

特定物体認識

特定物体認識は、画像内の物体を個別に認識する技術です。特定物体認識では、画像内の対象物に対してそれが何であるか判別するだけでなく、固有名詞による判別も可能です。

たとえば、電波塔が映っている画像に関して、その物体が「東京タワー」なのか、「スカイツリー」であるのかを判断できます。

特定物体認識は、大量の画像データに対する高速な検索を行えるようにすると、一般物体識別のようにディープラーニングの精度が上がるとされており、開発の課題となっています。

画像認識AIの活用例

画像認識AIの活用例

画像認識AIはすでにさまざまなシーンで活用され、私たちの生活に根付いています。

【画像識別の活用例】

用途 概要
検品 ・「良品」「等級」などのデータをAIに学習させ、製造における不良品の検出や農業における農作物の等級判別を行う
自動運転 ・標識や信号機、歩行者などを標識や信号機、歩行者などをAIに学習させ、ディープラーニングにより認識、事故防止を図る
行動分析 ・不審行動をAIで学習させ、店舗内の防犯カメラから不審者を検出する
・購買行動をAIで学習させ、店舗内の導線やレイアウトを工夫する
無人レジ ・商品の種類や価格をAIで学習させ、レジによる自動精算を行う

画像認識の活用によって人員不足による労働者の負担軽減や長時間労働の解消などさまざまな業種が抱える課題解決につながる可能性があります。今後AIの技術がさらに発展した場合、さらに幅広いジャンルの市場で活用されるでしょう。

まとめ

まとめ

画像識別AIは、AIを活用して画像内の情報を判別や特定する技術のことです。画像識別AIで判別できる情報はおもに「顔」「文字」「物体」の3種類に分類され、さまざまな用途に活用されています。

AIを活用した画像認識は、AIによる「機械学習」によってデジタル画像を構成するピクセルのパターンを学習させ、「深層学習」によって画像内の対象物を識別できるようにします。

なお画像識別は判別する対象によっておおまかな識別を行う「一般物体認識」と詳細な識別を行う「特定物体認識」の技術が使い分けられています。画像識別の種類や技術を把握し、用途に応じた活用を検討してみてください。

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