基礎知識
ChatGPTを活用してマニュアル作成するためのプロンプト例と手順を解説
OpenAI社のChatGPTは「誰でも無料で利用できる」「人間のような自然な対話が可能」という点で注目を集め、ビジネスにおいてもさまざまな用途に活用されている対話型人工知能です。
当記事では、ChatGPTを活用してマニュアルを作成するためのプロンプトに関して解説します。ChatGPTを活用してマニュアル作成を行う際のプロンプトの例や手順も説明するので、ぜひ参考にしてください。
マニュアル作成に活用するプロンプトの例
ChatGPTを初めてマニュアル作成に活用する方は、プロンプト例を参考にしてみてください。「プロンプト」とは、ChatGPTに必要な情報を出力してもらうために、処理を促す文字列のことです。
#命令文
あなたは〇〇担当者です。 #出力形式 マニュアルは階層的な目次で書いてください。 |
例示しているプロンプトよりも詳細に製品マニュアルを作成する場合には、プロンプトへ製品に関する詳細な情報を補足するための「#製品情報」を記載します。「#製品情報」を元に出力する情報を指定することで、より目的に沿ったマニュアルが出力されやすくなります。
また、研修や教育で使用するような、汎用性のあるタイプの業務マニュアルを作成する場合には、「#命令文」に続けて「ターゲットとなる読者」「マニュアルの概要」などを簡潔に指定するだけでマニュアルのアウトラインを出力することも可能です。
#命令文
あなたは企業のセキュリティ対策部門の担当者です。 |
なお、プロンプトにおいて出力形式の提示がないと、意図しない情報が含まれた回答が出力される場合があります。ChatGPTを活用してマニュアルを作成する場合は、具体的な項目や内容例などを提示する「出力形式」のプロンプトを入力しましょう。
プロンプトを入力する際のコツ
マニュアルを作成する場合に限らず、ChatGPTから的確な出力を得るために、プロンプトを作成する時のコツを把握しておきましょう。ChatGPTの出力結果は、プロンプトの内容によって決められるためです。
たとえば、ChatGPTを使用して製品マニュアルを作成する場合、最初に「あなたは商品開発者です」など、プロになり切ってもらうプロンプトを入力します。最初に前提となる条件をプロンプトに入力することでより的確な内容が出力される可能性が高まります。
さらに、「マニュアルの概要」「ターゲット読者」「マニュアルの目的」などカテゴリに応じた詳細な条件をプロンプトで指定すると、簡潔で余分な情報を含まない出力を得やすくなります。
なお、「足りない要素を詳細に補うこと」「重要なポイント/注意点をおさえること」などのプロンプトを冒頭、もしくは注意点として指定することもポイントのひとつです。補足点や注意点を条件として入力することによって、より精度の高い結果の出力が期待できるでしょう。
GPTs使用してマニュアルを作成する方法もある
ChatGPTを活用してマニュアルを作成する場合、GPTsを使用する方法もあります。GPTsとはChatGPTの機能の1つで、ChatGPTをカスタマイズしてオリジナルのシステムを開発できるものです。
たとえば、「Video Insights」というGPTsを活用すると、YouTubeやDaily Motionなどの動画の内容に関する概要の抽出や、要約ができます。作成したいマニュアルの内容がまとめられた動画がある場合は、「Video Insights」に該当の動画を読み込むとよりスムーズにマニュアルを作成できるでしょう。
なお、無料プランは、GPTsの作成ができません。ただし、公開されているGPTsの利用はできるため、デフォルトの機能で実現できないことがあれば、ChatGPTの「GPTを探す」から活用できそうなものを探してみてましょう。
ChatGPTを活用したマニュアル作成の手順
ChatGPTを活用したマニュアル作成の手順は5工程に分類されます。「マニュアルの概要を考案する」「学習データを収集する」2つの工程については、ChatGPTへプロンプトを入力する前に必要に応じて行うようにしましょう。
【ChatGPTを活用したマニュアル作成の手順】
1. 作成したいマニュアルの概要を考案する
2. 学習データを収集する
3. ChatGPTにログインし、学習データをアップロードする
4. ChatGPTにプロンプトを入力する
5. ChatGPTによって生成されたマニュアルを検証し、公開する
まずはマニュアルの概要を考案します。その際に、作成するマニュアルの種類に応じて業務や製品の使用方法のプロセスを洗い出してまとめておくようにしましょう。
2つ目の手順として、ChatGPTに学習させるためのデータを必要に応じて収集します。「学習データ」は、業務や製品の使用方法に関するプロセスや図表など、マニュアルに落としこみたい情報のことです。
マニュアルの概要を考案し、学習データの収集が完了したら、ChatGPTにログインします。ChatGPTに事前に収集した「学習データをアップロード」します。最後にプロンプト例を参考に「プロンプトの入力」を行うとマニュアルが生成されます。
ChatGPTで作成したマニュアルは、社内で内容を確認し、検証してから公開するようにしましょう。マニュアルの公開後も、修正点があれば適宜修正を行ない、最新の情報となるよう変更を加えることで、より精度の高いマニュアルとして機能することが期待できます。
ChatGPTを活用してマニュアルを作成する場合の注意点
ChatGPTを活用してマニュアルを作成する際は注意点を確認し、対策を行うようにしましょう。ChatGPTの活用よって、顧客や取引先などからの信頼を左右しかねない問題が発生する可能性があるからです。
【ChatGPTを活用したマニュアル作成の注意点】
・機密情報を入力しない
・ChatGPTが生成したマニュアルは確認及び検証を行ってから公開する
たとえば、ChatGPTを使用してマニュアルを作成する場合、プロンプトには機密情報を入力しないように留意する必要があります。ChatGPTに入力した機密情報がAIの学習に使用され、外部のユーザーがChatGPTを使用した際に機密情報が出力される可能性があるからです。
また、ChatGPTが生成したマニュアルをそのまま使用せず、必ず人の手によって「情報の信ぴょう性」「不適切な表現が含まれていないか」確認することも必要です。ChatGPTの回答には、情報の信ぴょう性に欠ける場合や不適切な表現が含まれる可能性があるためです。
ChatGPTを活用したマニュアル作成の注意点を対策する際は、社内でChatGPTの利用に関するルールを策定することで、機密情報の漏洩などのリスクを防げます。さらに、出力された内容をよく確認してから外部に公開する、というフローを設ける方法もあります。
なお、ChatGPTに入力した機密情報が漏洩するリスクは、無料版のChatGPTを活用してマニュアルを作成する場合に起こる可能性があるものです。ChatGPTの有料プランのなかでも「CtatGTP Eneterprise」を使用すると情報漏洩のリスクは低減されます。
社内でChatGPTを活用する際に行えるセキュリティ対策について詳しく知りたい方は「ChatGPTはどんな用途で社内利用できる?注意点やセキュリティ対策も解説」を確認してください。
まとめ
ChatGPTを活用してマニュアルを作成するには、コンピュータやAIに対して、処理を促す「プロンプト」を入力します。プロンプトの入力内容方法によって、出力してほしい情報を得られない場合があるので、ChatGPTから的確な出力を得るためには、プロンプトを入力するときのコツを把握するようにしましょう。
また、ChatGPTを活用したマニュアル作成の手順は6工程に分類されます。ChatGPTにプロンプトを入力する前に「マニュアルの概要を考案する」「学習データを収集する」などの準備を行うと、精度の高いマニュアルの出力が期待できます。
なお、ChatGPTを活用してマニュアルを作成する場合の注意点として、「機密情報を入力しない」「ChatGPTが生成したマニュアルは確認及び検証を行ってから公開する」が挙げられます。
とくに無料版のChatGPTを活用する際にはChatGPTの利用に関するルールを策定し、出力された内容をよく確認してから外部に公開するようなフローを設けることを検討してください。
AIを活用した業務工数の削減 個社向けの開発対応が可能
事業に沿った自社専用AIを搭載できる「JAPAN AI CHAT」で業務効率化!
資料では「JAPAN AI CHAT」の特徴や他にはない機能をご紹介しています。具体的なAIの活用事例や各種業務での利用シーンなどもまとめて掲載。
あわせて読みたい記事