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ChatGPTによって生成されたものは著作権侵害になる?判断のポイントを解説

ChatGPTによって生成されたものは著作権侵害になる?判断のポイントを解説

ChatGPTを始めとする生成AIを活用したビジネスを検討する際、生成したものが著作権侵害に繋がる可能性があるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

当記事では、ChatGPTが生成したものが著作権侵害になるかを判断するためのポイントを紹介します。また、著作権侵害のリスクを低減するための対策も解説するため、ChatGPTをビジネスに利用することを考えている方は参考にしてみてください。

※当記事の内容は一般的な内容および弊サイトの見解を述べたものです。個々の状況や具体的な判断は専門家の意見をご参照ください。

ChatGPTで生成したものが著作権侵害になるか判断するためのポイントは3つ

ChatGPTによって生成した画像や文章がすでに公開されているものと類似していた場合、著作権侵害になるか判断する際のポイントは3つです。

  1. 類似しているものが著作物であるかどうか
  2. 既存著作物との類似性
  3. 既存著作物との依拠性

特に、②既存著作物との類似性や③依拠性が認められるものを著作権者の利用許諾なく公表や販売した場合、著作権侵害の可能性があるため確認が必要です。

ただし、ChatGPTによって生成したものが既存著作物と類似している場合でも、Webや書籍などで公開しなければ著作権法第30条の私的利用に該当するため、著作権者の許諾なく行うことができます。

なお、生成AIの生成物を商用利用する場合は、著作権の問題のほかに利用の制限を確認する必要があります。ChatGPTは、生成物の所有権をユーザーに譲渡するとOpenAIの利用規約に明記されているため、ユーザーの判断で生成物の商用利用が可能です。

先行で公開されているものが著作物であるかどうか

ChatGPTで生成した物と類似しているものがあった場合、先行で公開されている物が著作権があるかどうかを確認します。公表されているものであっても著作権がないものであれば、自由に利用することができるためです。

先行で公開されているものに著作権がある場合は、後述する「類似性」と「依拠性」の観点から著作権侵害になるかを判断されます。

【著作物に該当しない物の例】

著作権に該当しないもの 具体例
事実やデータのみが示されるもの
  • 史実
  • スカイツリーの全長 
ありふれた表現のもの
  • イラストの腕を組むポーズが一致している
  • 短い単語の組み合わせ
機械のみで作成されたもの
  • 衛星写真
著作権が切れているもの
  • 著作者の死後 または 公表後70年が経過したもの

著作権は登録の申請などを必要とせず創作物に自動的に適用されるものです。そのため、類似するものに著作権が認められるかは、思想や感情を創作的に表現しているかの創作性を個別に判断する必要があります。

たとえば、短い文章であっても、俳句や短歌のような創作性があるものは著作権が認められます。また、キャッチコピーにも著作権が認められた事例があるため、「短い文章だから著作権がない」と判断できない点には注意が必要です。

既存著作物との類似性

類似性は、ChatGPTを利用した生成物と既存著作物の共通する部分が本質的な特徴であるかどうかで判断されます。本質的な特徴には、主に著作物の表現や創作性が取り上げられる傾向があります。

たとえば、文化庁「AIと著作権」では、「カエルを擬人化してイラスト化する」場合「カエルの顔の輪郭を横長にすること」や「胴体を短くし、短い手足を付けること」はありふれた表現のため類似性として認められないとしています。

また、女性のイラストのポーズや特徴が一致しているとして訴えがあった過去の判例では、ポーズや髪型などの特徴は一般的なものであり、創作性はないとして著作権侵害を否定しています。

著作権事例画像

画像出典 : 裁判所ウェブサイト 「知的財産 裁判例集

既存著作物との依拠性

依拠性は、ChatGPTの生成物が既存著作物にもとづいて作成されているかどうかで著作権侵害を判断するものです。

依拠性があると認められるケースとして、過去に目にした既存のイラストを参考に類似するイラストを制作した場合があります。また、既存の著作物が一般的に知られている著名なものであるかも依拠性の判断基準になります。

一方で依拠性が認められないケースとしては、既存の著作物を知らずに偶然一致したものがあげられます。依拠性を判断する際は、独自に創作した経緯の合理的な説明や制作の時系列などが確認されます。

ただし、ChatGPTをはじめとした生成AIを利用した生成物の依拠性については、継続して検討が進められており見解が異なる場合もあります。

執筆時点では、ChatGPTの利用者が既存著作物を認識している場合や特定のクリエイターの作品を集中して学習させたAIを用いた場合などは依拠性が認められるのではないかとされています。

生成AIの開発や学習データには著作物を利用できる

日本では、生成AIの開発や学習の際のデータとして著作物の利用を著作権法第30条の4によって原則認めています。

たとえば、書籍や資料などを学習データとして利用する場合、資料のタイトルや著者名、作成者名などの検索結果を表示するためであれば利用できるとされています。

ただし、既存著作物の利益を害すると判断される場合や限度を超える場合などは、生成AIの学習データに著作物を利用する許諾が必要になる可能性があります。

タイトルや著者名の検索結果とともに、著作物の本文を提供するような生成AIの開発を検討している方は注意しましょう。

著作権侵害のリスクを低減するための対策

ChatGPTを利用して生成したものが著作権侵害になってしまうリスクを低減するためにとれる対策は3つあります。

  • 生成したものが既存の著作物を侵害していないか人間が確認する
  • 社内利用の場合はガイドラインを作成する
  • 著作権の知識をつける

生成したものが既存著作物を侵害していないか人間が確認する

ChatGPTは、生成した文章や画像が既存著作物と類似しているかを判断していないため、最終的な生成物は人間の目で確認する必要があります。

記事やキャッチコピーなど文章の場合は、コピーチェックツールを使用することでWeb上に公開されているものとの類似性を確認する効率をあげることができます。

また、イラストや画像の類似性を確認する場合は、Googleの画像検索機能によってWeb上に公開されているものを調査することが可能です。

ただし、これらの確認方法によってかならず類似するものが見つかる訳ではありません。あくまで目視での確認と比較して効率的に確認が進められるものである点に注意しましょう。

社内利用の場合はガイドラインを作成する

社内でChatGPTを利用する企業は、ChatGPTの利用に関するガイドラインを作成しておきましょう。ChatGPTの利用に関するガイドラインは、利用できる業務範囲や入力を許可するデータなどを社内で共通認識にするために役立ちます。

【ChatGPT利用ガイドラインの項目例】

ChatGPTの利用を禁止する用途
  • 社内資料の要約
  • 社内向け文書作成
  • 自社ツールのコード
プロンプトを入力する際の注意事項
  • 著作物の入力可否
  • 個人情報の入力禁止
  • 機密情報の入力禁止
生成物を利用する際の留意事項
  • 既存著作物と類似する場合は著作権侵害になる可能性がある
  • 誤った情報を出力する可能性がある

また、ChatGPTの利用に関するガイドラインを作成後は、社員にガイドラインを認識してもらうことが必要になります。そのため、ガイドラインの作成後は、社内研修や定期的なリマインドによって作成したガイドラインが風化しないように活動を行いましょう。

著作権の知識をつける

ChatGPTで制作したものも、著作権侵害に当たるかどうかの判断は人間が制作したものと同一の基準で判断されるため、ChatGPTで生成したものを公開する予定のある方は著作権の知識をつけましょう。

著作権に関する教材は文化庁の公式サイトから確認できます。また、著作権に関する講習会やセミナーも開催されているため、著作権の知識をつけたいが何から始めればいいか分からないという方は利用を検討してみてください。

なお、ChatGPTをはじめとした生成AIと著作権の問題については、現在も議論が進められています。ChatGPTを利用した生成物の著作権の扱いも変化していく可能性があるため、ChatGPTを利用する方は、著作権に関する情報を継続的に収集しておきましょう。

まとめ

ChatGPTの生成物が著作権侵害になるかを判断するためのポイントは「類似しているものが著作物であるかどうか」「既存著作物との類似性」「既存著作物との依拠性」の3つです。とくに先行で公開されているものと「類似性」があるかが重要な判断基準です。

先行で公開されているものに類似するものがなければ著作権侵害に繋がる可能性は低いため、ChatGPTで生成したものと類似するものがないかを確認するようにしましょう。

ただし、ChatGPTを利用して生成したものの著作権については、議論が続いているため、今後状況が変わる可能性があります。ChatGPTを活用したサービスを検討している方は、継続的にAIと著作権の問題を調査するようにしてください。

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