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ChatGPTの法人利用時のセキュリティリスクとは?5つの対策方法を解説
生成AIの活用が進む中、多くの企業が業務効率化や生産性向上を目指してChatGPTのようなAIツールを取り入れています。業務効率化やアイデアのヒント等を得られる一方で、法人利用におけるセキュリティリスクも懸念されています。実際に2023年3月には、韓国のサムスン電子で3件もの機密情報の漏洩が報告されており、企業は慎重な対策が求められています。
本記事では、企業が安全にAIを活用するためのセキュリティリスクや、具体的な対策について詳しく解説します。AI導入を検討している法人担当者の皆様に、リスク管理と効果的なAI活用のための重要なポイントをお届けします。
- ChatGPTを法人利用するときのセキュリティリスク3選
- ChatGPTを安全に法人利用するための5つのセキュリティ対策
- 1. ChatGPT利用のガイドラインを作成する
- 2. Chat history & training機能をOFFにする
- 3. ChatGPTの法人向けプランを利用する
- 4. セキュリティシステムを導入する
- 5. セキュリティを強化されたAIサービスを導入する
- セキュリティ面で定評があるAIサービス提供会社3選
- ChatGPTのセキュリティリスクのまとめ
ChatGPTを法人利用するときのセキュリティリスク3選
ChatGPTなどの生成AIサービスを法人で利用する際に、注意すべき主なリスクとして3つの項目があり、ポイントをわかりやすく掴んでいただくべく表にまとめました。
それぞれのリスクについて、より詳しく見ていきます。
リスク名 | 詳細 |
---|---|
誤情報や偏りのある情報提供リスク | 事実とは異なるデータや古い情報、偏った解釈などが提供されるリスク |
著作権侵害リスク | 入力したデータが学習され、著作物が無断で使用されるリスク |
機密情報漏洩リスク | 入力した機密情報が外部に漏洩してしまうリスク |
1. 誤情報や偏りのある情報提供リスク
ChatGPTにより生成された情報は、論理的に構成されているため、毎回正確な情報のように感じることが多いですが、実際には誤情報が紛れ込むことがあります。この現象は「ハルシネーション」と呼ばれ、AIが自信を持って間違った情報を提供してしまう、生成AI特有のリスクです。誤情報が含まれると、企業の意思決定に影響を与えたり、顧客対応で不正確な情報を提供してしまうリスクがあります。
さらに、AIは常にリアルタイムで最新の情報を取得しているわけではなく、学習データが更新されない期間が長くなると、古いデータを基に情報を生成することがあり、結果として、現実と乖離した不正確な情報が提供される可能性もあります。
2. 著作権侵害リスク
ChatGPTは、インターネット上に公開されているデータを学習して回答を生成します。そのため、回答に含まれる文章が他者の著作権を侵害している可能性を完全に排除できないケースがあります。
このことで思わぬ法的トラブルに発展するリスクもあり、企業としては慎重な対応が求められます。特に、商用利用や公開の場での利用時には、著作権に関するリスクを十分に考慮する必要があります。
3. 機密情報漏洩リスク
生成AIの仕組みが十分に理解されていないと、誤って機密情報を入力してしまうことがあります。この情報はAIによって学習データとして扱われ、意図せず機密情報がそのデータに取り込まれるリスクが生じます。
生成AIに取り込まれた内容を後から完全に削除・修正することは困難であり、結果的に外部の第三者に情報が漏洩してしまうリスクを完全に排除することはできません。
ChatGPTを安全に法人利用するための5つのセキュリティ対策
法人による安全なChatGPTの利用を実現するために、特に意識すべきセキュリティ面での対策は以下の5つとなります。それぞれのセキュリティ対策を以下で解説します。
- ChatGPT利用のガイドラインを作成する
- Chat history & training機能をOFFにする
- ChatGPTの法人向けプランを利用する
- セキュリティシステムを導入する
- セキュリティを強化されたAIサービスを導入する
1. ChatGPT利用のガイドラインを作成する
企業内でのChatGPTの利用に関するガイドラインを作成し、社員への教育を徹底しましょう。適切な使用方法、機密情報の取り扱い等について明記し、特に、個人情報や企業秘密などの機密情報をChatGPTに入力することを禁止する必要があります。
また、作成したガイドラインを基に社員への教育を実施し、ChatGPTの特性やリスク、適切な利用方法についての理解を徹底させ、必要に応じてChatGPTへのアクセス制限をかけ、不特定多数の社員による不適切な利用を防ぎ、情報漏洩や著作権侵害などのリスクを軽減します。
2. Chat history & training機能をOFFにする
Chat history & training機能は、ユーザーの会話履歴をモデルトレーニングに利用するかどうかを制御する設定です。この機能をオフにするとOpenAI社のトレーニングデータとして使用されることはありません。
何らかの悪用があった場合の照会目的で30日間データは保持されますが、その後完全に削除されるため、機密情報や個人情報が外部へ流出するリスクを圧倒的に軽減することができます。企業がChatGPTを利用する際には、この機能をOFFにして運用し、情報漏洩のリスクを確実に抑えることが推奨されます。
3. ChatGPTの法人向けプランを利用する
ChatGPTの法人向けプランには、大企業向けの「Enterprise」と中小企業・チーム向けの「Team」があり、それぞれプライバシーやセキュリティ対策が強化されています。「Enterprise」プランは、米国公認会計士協会(AICPA)が定めたセキュリティ基準である「SOC2」に準拠しており、データは暗号化され、アクセス権限は厳格に管理されています。不正なアクセスを検知するシステムも備えており、機密情報の漏洩や不正アクセスを防ぐことができます。
「Team」プランは、データの分離やチーム全体でのセキュリティポリシー適用が可能で、アクセス管理も一元化されています。また、ユーザー活動を記録する監査ログ機能を備えており、企業のコンプライアンス要件に対応しやすい設計になっています。
4. セキュリティシステムを導入する
セキュリティシステムの導入も、ChatGPTを法人利用する際の効果的な対策となります。注目すべきシステムとしてDLP(Data Loss Prevention)があり、特に生成AIの利用においては、ネットワークDLPが効果的であり、ChatGPTに機密情報が入力されるのを防ぎ、情報漏洩のリスクを大幅に軽減できます。
DLPシステムは、企業のセキュリティポリシーに基づいて設定でき、機密データの外部送信をブロックし、管理者はアラートにより機密情報のデータ送信の試みを即座に把握できます。
5. セキュリティを強化されたAIサービスを導入する
ChatGPTをさらに安全に利用するためには、セキュリティが強化されたAIサービスを導入することこそが、これまで紹介した対策以上に圧倒的なセキュリティ効果をもたらします。特にGPT技術を活用して作られたAIサービスは、高度な言語処理能力と機密情報保護機能を備えているため、企業のセキュリティに関するニーズに最も適しています。
これらのサービスは、ユーザーの入力データがAIの学習に使用されないオプトアウト機能や、データの暗号化、アクセス制御などの強固なセキュリティ対策を標準で提供します。また、企業向けの管理機能として、ユーザーアカウントの一元的な管理や利用状況の可視化、IPアドレス制限なども備わっているため、組織全体規模でより安全なAI運用が可能になります。
高いセキュリティ環境で生成AIの力を引き出せるJAPAN AI
JAPAN AIは上場会社のグループ企業であり、上場企業水準の高いセキュリティ環境が整備されている信頼性の高い生成AIプラットフォームです。暗号化されたデータ通信による機密データの保護を徹底しながら、生成AIを安全かつ効率的に活用できることが大きな強みです。主要機能として、迅速かつ安全なデータ連携を可能にし、複数のAIモデル(LLM)をワンクリックで切り替えられるマルチLLM対応、企業のニーズに合わせた専用カスタムテンプレートの提供があります。さらに、独自のRAG技術により、精度の高い自然言語検索を実現します。
これらの機能は、企業がAIを活用する際に必要不可欠なセキュリティと効率性を同時に提供し、ビジネスを革新します。JAPAN AIは、厳格なセキュリティ基準と革新的AI機能の融合により、企業のデジタルトランスフォーメーションを安全かつ効果的に推進します。
セキュリティ面で定評があるAIサービス提供会社3選
セキュリティに優れたAIサービスを利用することで、機密情報の漏洩や不正アクセスといったリスクを効果的に抑えることができます。特に、企業における生成AIの活用では、セキュリティの堅牢さが信頼性の基盤となります。
ここでは、セキュリティ面で定評があり、多くの法人が採用している3つの信頼できるAIサービス提供会社をご紹介します。
会社名 | 費用 | 特徴 |
---|---|---|
JAPAN AI株式会社(JAPAN AI CHAT) | ※詳細は要問い合わせ | 高度なセキュリティ環境で独自データを参照し、ユーザーの質問に的確に回答する法人向けAIサービスです。 マルチLLM対応、簡単データ連携、豊富なプロンプトテンプレートなどの機能を備え、専任のカスタマーサクセスが導入から活用までを支援します。 |
株式会社グラファー(Graffer AI Studio) | ※詳細は要問い合わせ | 複数の生成AIモデルを提供し、業務の効率化や創造的なプロセスの自動化を支援する企業向けプラットフォームです。 プロンプト不要の簡単操作、チーム全体でのテンプレートや共有機能の活用、充実した管理機能により、数千人規模での利用をサポートします。 |
NTTスマートコネクト株式会社(生成AIサービス) | ・初期費用 69,000円 ・月額料金 30,000円 ・オプション等の詳細は要問い合わせ |
Microsoft社のAzure OpenAI Serviceを利用し、利用データの外部利用・学習・蓄積がない法人向けサービスです。 テンプレート機能によるわかりやすい利用、充実した管理機能、ナレッジ検索(RAG)機能などを備え、LGWAN接続オプションにより行政機関での利用も可能です。 |
JAPAN AI株式会社(JAPAN AI CHAT)
ツールの紹介 | ・暗号化通信で情報漏洩リスクなし ・最新の複数LLM搭載 ・独自高性能RAGによる高性能な回答 ・独自業務や専門領域対応のAIを個社開発 ・ドラッグ&ドロップとAPIで簡単データ連携 ・豊富なプロンプトテンプレート ・業界最安値水準の価格設定 ・上場企業水準のセキュリティを提供 ・300名以上のエンジニアによる高い技術力 ・10,000社以上の顧客支援実績 ・万全の無料専任サポート |
---|---|
費用 | ※詳細は要問い合わせ |
会社名 | JAPAN AI株式会社 |
URL | https://japan-ai.co.jp/chat/ |
JAPAN AI Chatは、上場グループ企業が提供する法人向け生成AIプラットフォームです。企業の独自データを参照し、暗号化されたAIとの通信による高度なセキュリティ環境下で、自然言語による質問に対して精度の高い回答を行います。複数のAIモデルをワンクリックで切り替えられるマルチLLM対応や、データの迅速な連携機能、独自の高性能RAG技術による高精度な回答生成、豊富なプロンプトテンプレートを備えています。
企業ごとのニーズに応じた個社開発対応も強みであり、業務プロセスや課題に最適なカスタマイズされたAIアシスタントの構築が可能です。専任のサポートチームによる無償の伴走支援と業界最安値水準の価格により、安心してご利用いただけるプラットフォームです。
クオリティ底上げと効率化を実現した成功事例
デジタルマーケティング事業を展開している会社様がJAPAN AI Chatを導入した事例を紹介します。
当時、急速に拡大する事業の中でクリエイティブ制作やペルソナ設計の作業が特定の社員に依存し、非効率な状況が続いていました。素材選定やペルソナの作成にかかる時間が増え、メンバーごとのスキル差が品質の不均一さを生む要因となっていました。こうした課題を解決するために、同社はAIツールの導入を検討し、最終的に「JAPAN AI」を採用しました。
導入後、クリエイティブ制作やペルソナ設計のプロセスが大幅に効率化され、作業時間の短縮と品質の一貫性を確保することができました。特に、AIが自動で生成する画像のクオリティは、従来の手作業では得られなかったリアルさがあり、クライアントからの評価も高まりました。また、AIが提案するペルソナに対して人間が微調整を加える形となったため、以前のように最初から手作業で作成する必要がなくなり、作業時間が大幅に短縮されました。
この結果、提案準備にかかる時間は大幅に短縮され、以前は5営業日必要だった提案が最短で2日で完了するようになりました。AIによる支援により、より多くの案件で成果を上げ、受注率の向上にも繋がりました。JAPAN AIの導入は、業務の効率化だけでなく、全体のクオリティ向上にも貢献しています。
株式会社グラファー(Graffer AI Studio)
ツールの紹介 | ・プロンプト不要 ・汎用的なチャット機能 ・ユーザーアカウントやログの管理機能 ・高度なセキュリティ ・複数のLLM搭載 ・カスタムモデル対応 ・ 追加学習で特定ユースケースに対応 ・データ分析機能 ・独自データを活用した情報検索可能 |
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費用 | ※詳細は要問い合わせ |
会社名 | 株式会社グラファー |
Graffer AI Studioは、エンタープライズ企業向けに設計された法人向け生成AIプラットフォームです。プロンプトなしでAIを活用できるため、初心者でも手軽に業務に取り入れることができ、チャット機能を通じて日常業務での利用が定着します。
最新のAIモデルに対応し、カスタムモデルやファインチューニング機能を活用して、企業特有のニーズにも柔軟に対応可能です。また、ExcelやCSVのデータ分析機能や一括処理機能により、大量のデータを効率的に処理し、業務の効率化を実現します。
NTTスマートコネクト株式会社(生成AIサービス)
ツールの紹介 | ・データの外部利用なし ・テンプレート機能: ・ユーザID、テンプレート、利用ログ等の管理機能 ・プロンプトテンプレート ・ナレッジ検索(RAG)機能 ・LGWAN接続対応 |
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費用 | ・初期費用 69,000円 ・月額料金 30,000円 ・オプション等の詳細は要問い合わせ |
会社名 | NTTスマートコネクト株式会社 |
NTTスマートコネクトの生成AIサービスは、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを利用し、データが外部に学習・蓄積されない安心のAI環境を提供します。テンプレート機能により、専門知識がなくても簡単に出力条件を設定し、生成AIを活用できるため、効率的な業務改善が可能です。
管理者には、ユーザーID管理や利用ログの監視機能、使用量の上限設定が備わり、大規模な組織でも運用がしやすくなっています。さらに、ナレッジ検索(RAG)機能を活用して社内のドキュメントを効率的に検索でき、LGWAN接続にも対応しているため、自治体や公共機関向けにも適したセキュアなAIサービスです。
ChatGPTのセキュリティリスクのまとめ
ChatGPTをはじめとするAIサービスを法人で利用する際には、誤情報の提供や著作権侵害、機密情報漏洩といったセキュリティリスクが懸念されます。これらのリスクは企業の信用を失墜させるだけでなく、重大な法的トラブルに発展する可能性も懸念されるため、適切なガイドラインの策定や、データ保護に配慮した万全の対策が必須となります。
こうしたリスクを避けるため、セキュリティが強化されたAIサービスを選択することが賢明です。その中でも、JAPAN AIは、上場企業基準の高度なセキュリティ環境を提供し、企業の機密データをしっかり保護します。セキュリティを重視しながら、生成AIの力を最大限に引き出すことで、安心して業務を進められる環境を実現いたします。
AIの導入を検討している企業担当者の皆様には、ぜひJAPAN AIのサービスの特徴にご注目いただき、資料請求やお問い合わせを通じて、貴社に最適なAI活用方法をご提案いたします。
AIを活用した業務工数の削減 個社向けの開発対応が可能
事業に沿った自社専用AIを搭載できる「JAPAN AI CHAT」で業務効率化!
資料では「JAPAN AI CHAT」の特徴や他にはない機能をご紹介しています。具体的なAIの活用事例や各種業務での利用シーンなどもまとめて掲載。
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